2010年10月25日 14:42 (UTC) インドネシア・スマトラ沖の地震 (Mw 7.4)

Southern Sumatra, Indonesia, October 25, 2010, 14:42 (UTC) (Mw 7.4)






1. 概要

2010年10月25日現地時間午後9時42分頃(日本時間午後11時42分頃)、インドネシア・スマトラ沖でマグニチュード(Mw)7.4の地震が発生しました。この地震は逆断層型のメカニズムであり、深さは約 10 km に決まりました。現地ではこの地震による被害が発生しており、多数の死傷者がでている模様です。


2. 地震の特徴

インドネシア広帯域地震観測網のデータ用いて、震源の解析を行いました。その結果、逆断層のメカニズムが推定され、今回の地震はインド・オーストラリアプレートの沈み込みに伴う地震と考えられます(図1)。震源関数を推定した結果、断層破壊にかかった時間は約 100 秒と決まりました(図2)。この継続時間は、同規模の地震に対する経験的な値(Mw=7.4 の場合は約 20-30 秒、Ekstrom and Engdahl, 1989, JGR)と比べて明らかに長く、津波地震だった可能性が高いと考えられます。現地で報告されている 3 m を超える高い津波は、このようなゆっくりとした断層破壊によって生じたと推定されます。

図1. 推定されたメカニズムと震央位置(赤星)。青星の震央位置とすべり分布 はアメリカ地質調査所による。

図2. 震源関数の推定結果


最終更新日:2010年10月28日(掲載:2010年10月27日)

防災科学技術研究所 国際地震観測管理室