2006年12月17日スマトラ島北部内陸の地震


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JISNETによる観測データを用いた震源位置(セントロイド)、メカニズムの推定結果(速報)

防災科学技術研究所 国際地震観測管理室
2006/12/18(月)


■ 概要

2006年12月17日(日)21時40分頃(世界標準時)(現地時刻18日4時40分、日本時間18日6時40分頃)、インドネシアのスマトラ島北部の地下約10kmにおいて、マグニチュード(M)5クラスの地震が発生しました。防災科研がインドネシア気象地球物理庁(BMG)と共同で運用している広帯域地震観測網(JISNET)のデータを用いて、この地震の震源位置(セントロイド)と、破壊のメカニズムを推定しました。


■ 地震発生場所

BSI, PPI, KSI の三観測点のデータを用い、50-100秒の帯域の波形を用いて波形インバージョンを行ない、地震のセントロイドの位置とメカニズムについて、グリッドサーチによって推定を行ないました。 セントロイド一推定におけるグリッドサーチの間隔は、水平方向 0.2°、深さ方向 10km。メカニズム推定におけるグリッドサーチの間隔は、dip, slip, rake それぞれについて 15°を用いました。

解析の結果、地震のセントロイドは(緯度, 経度, 深さ)=(0.70N, 100.0E, 10km)と推定されました。 下図に赤い星印で震央を示します。 また、+は震源を推定する時にグリッドサーチした震央を、コンターは残差の分布を示します。


震源付近の拡大図


■ メカニズムと波形のフィット

メカニズムは、下図(左上)のように求まり、モーメントマグニチュード(Mw)は5.8と推定されました。 右上に波形インバージョンによって推定された震源関数を、その下には各観測点の観測波形と理論波形のフィッティングを示します。黒線が観測波形、赤線が得られた震源モデルから推定される理論波形です。


■ 震源関数の復元

波形インバージョンによって得られた震源関数から、震源における断層の滑り関数を推定しました。 下図の赤線が、波形インバージョンによって得られた震源関数、青線が赤線から推定される断層の滑り関数、緑線が青線に波形インバージョンで用いたのと同じフィルタを適用した波形です。


防災科学技術研究所 国際地震観測管理室