インドネシア・フィリピン・チリ
における リアルタイム津波予測システムを公開

防災科研では、アジア・太平洋地域で発生する地震のメカニズムや長期間にわたる地震活動度などの知識を深めるために、 同地域における国際地震観測網の運用を行っています。また、インドネシア・フィリピン・チリの広帯域地震計のリアルタイム連続地震波形データを用いて、 防災科研が開発したSWIFTシステム(Nakano et al. 2008)による自動・手動地震メカニズムパラメータの解析及びWeb検索可能なデータベースの運用も行っています。 今回公開するのは、SWIFTの即時地震パラメータ情報を用いて、 防災科研が開発した津波シミュレーション・可視化システムによる、インドネシア・フィリピン・チリ北部地域で発生する地震(M4.5以上が対象)による リアルタイム津波予測システムです(Inazu et al. 2014, Pulido et al. 2015)。また、自動解析結果の精度向上のため、 被害を及ぼす可能性のある地震(M>5.5)に対して手動で再解析を用い、その結果も公開します。公開する内容は、シミュレーションの最大津波高、 沿岸近傍での津波高、及び津波の伝播シミュレーションの様子です。
SWIFTで推定された即時地震パラメータ(M4.5以上)と自動津波予測は、 http://www.isn.bosai.go.jp/index.html で公開します。

詳細はプレス公開資料を参照、
http://www.bosai.go.jp

参考文献
Pulido, N., D.Inazu, T. Saito, J. Senda, E. Fukuyama and H. Kumagai, Real time earthquake information and tsunami estimation system for Indonesia, Philippines and Chile regions, Japan Geoscience Union meeting, 2015.
稲津大祐・齊藤竜彦・熊谷博之・プリード ネルソン・福山英一 , 即時CMT解を利用したフィリピン・インドネシア近海の即時津波解析システム, 日本地球惑星科学連合大会、HDS27-11, 2014.
Nakano, M., H. Kumagai, and H. Inoue, Waveform inversion in the frequency domain for the simultaneous determination of earthquake source mechanism and moment function, Geophys. J. Int., 173, 1000-1011, 2008.